放蕩息子ほど可愛い？同じ取り分なんておかしい！お母さんの預貯金が少ない・・・

母

お父さんもいきなり死んじゃったわね・・・。
お兄ちゃんが戻ってきたのはいいんだけど，自分の遺産を早くくれって言って困るわ・・・。
妹

お兄ちゃんのせいでお父さんもお母さんも大分苦労したじゃない。
大学は２浪してようやく入ったかと思ったら２回も留年して・・・。卒業してからもフラフラと何もせずにいて。
お父さんがお兄ちゃんの借金の肩代わりをしたのだって知ってるのよ！
母

どうして知っているの？そうなのよ。ほんとに困った子だったわ・・・。
兄

いや〜。お父さんは結構お金があったんだね〜。
僕は４分の１もらえるんだよね？家は要らないからその分預貯金を多くもらえばいいよ。母さんはそんなにお金は要らないだろ？
母

そんなことはないわよ・・・。これから家の維持費もかかるし・・・。
妹

お兄ちゃんはいったい何言ってるの？
これまでのこと考えたらそんな要求よくできるわね。
あまりに不公平だわ。

民法で定められている相続の割合

妹

このままだと兄のいいなりで事が運びそうで心配です。母もなんだかんだ兄のことが可愛いようですし・・・。

母の老後の資金をしっかり確保したうえで，兄にはこれまでのことを踏まえて取り分を少なくできないでしょうか？
弁護士

お父さんが遺言を残していなかったことから，基本的には法定相続分という決まった割合で分けることになります。
お兄さんが４分の１の権利を有していることになります。

もっとも，実際にお兄さんにお金を渡したり，費用を立て替えて払ってあげたことがあるなら，特別受益という主張が可能です。その場合には前にもらった分を考慮して，取り分を減らすことが可能となります。
母

私は家に住むことはできても，預貯金は少なくなってしまうのでしょうか・・・。
弁護士

それは話し合いによりますし，不動産も共有にすることもできます。

民法の改正で配偶者居住権というものができましたので，不動産の所有権をお子さん達にしたうえで，預貯金の取得額を増やすことも可能となっています。

弁護士に相談して進めて行くことが大切な事案だと思います。