母さんも死んでしまってとうとう兄妹二人だけになっちゃったな…
相続のトラブル事例
-
-
妹
そうだね。そんなときにお金の話をするのも嫌なんだけどさ……
特に遺言もないし、遺産はふたりで半分ずつってことでいいよね?
-
兄
は? 何言ってんだよ。
お前が10年前に新築で建てた家、父さんと母さんからお金援助してもらったんだろ?
-
妹
誰から聞いたの!? それに、そんな何年も前の話するなんて、おかしいわよ
-
兄
俺は父さん母さんからお金なんてもらっていないんだから、2分の1ずつだと不公平だろ?
-
妹
援助ってっていっても、少しだけよ
-
兄
なに言ってるんだ。母さんからはおまえに1, 000万円渡したって聞いてるぞ
-
妹
……でも、生命保険金500万円は兄さんが全部受取人なんでしょう? それは不公平じゃないっていうの!?
民法で定められている相続の割合
-
12
兄
-
12
妹
遺産の内容
-
預貯金
1,500万円
-
土地・建物
800万円
-
株
100万円
-
保険
500万円(受取人:兄)
-
その他
なし
弁護士からのコメント
-
兄
生前もらったお金って遺産には関係ないんでしょうか?
-
弁護士
本来は,遺言がない場合には,法定相続分という民法で決められた割合により分けることになります。本件でも,兄妹で全ての遺産を2分の1ずつに分けるのが基本となり,妹の言うことは間違いではありません。
-
兄
そうか……
-
弁護士
しかし,民法では,特別受益というものと,寄与分というものがあり,法定相続分のまま分けると不公平になる場合の調整を図っています。特別受益については,その言葉のとおり,相続人の一部が「特別」に「利益」を「受けた」場合であり,その場合にはその相続人の取り分を少なくすることになります。
-
兄
だったら、生前にもらったお金が「特別受益」にあたる可能性はあるんですね?
-
弁護士
ただ、特別受益になるかどうかは簡単に判断できない場合もあり,また,裁判で認められるだけの証拠を集めたり,裁判における見通しを判断する必要があります。本件でも,妹が家を建てるときにお金がいくら支払われたのかについて,後から否定してくることを想定して証拠を確保する必要があり,弁護士への早めの相談が重要です。
-
兄
早く来てよかった…
-
弁護士
なお,生命保険金については,原則としては相続財産ではなく,受取人の固有の財産と考えられています。しかし,最高裁判例があり,場合によっては特別受益になることがあるとされていますので,注意が必要です。
-
兄
これからよろしくお願いします
相続弁護士オンラインではじっくり
お話を伺うことを大切にしています。
お気軽にお問い合わせください。
簡単ステップで
解決に導きます
- お問い
合わせ - ご相談
- ご依頼
と受任 - 事件の
処理開始
兄