相続のトラブル事例

相続のトラブル事例

遺言

遺言があることを知らなかった!
自分の取り分がないなんて…

  • 兄

    母さんが遺言を遺していたって本当か?

  • 弟

    ああ。内容を見たら、俺に全部譲るって書いてあったよ。

  • 兄

    ええ!?!?

  • 兄の嫁

    兄の嫁

    ええ!?!?

  • 兄

    本当だ…

  • 兄の嫁

    兄の嫁

    主人は長男なのに、遺産がもらえないなんておかしいと思うんだけど…

  • 弟

    母さんとずっと同居してたのは俺だし、毎日面倒見てたんだから、全部俺に遺したいって気持ちがあったんじゃないか

  • 兄

    毎日面倒見れなかったのは、家が遠く離れてるから仕方なく…

  • 兄の嫁

    兄の嫁

    毎年、旅行にも連れて行ってあげていたし、お正月には里帰りしていたし、まったく面倒を見なかったわけではないと思うわ

  • 弟

    それでも、毎日見る苦労を考えたら、正当だと思うぞ

  • 兄

    母さんも、どうしてこんなこと書いたんだ……

民法で定められている相続の割合

  • 34

遺産の内容

  • 預貯金
    預貯金

    1,000万円

  • 土地・建物
    土地・建物

    3,000万円

  • 株

    100万円

  • 保険
    保険

    500万円(受取人:次男)

  • その他
    その他

    なし

弁護士からのコメント

  • 兄

    この遺書って有効なんでしょうか?

  • 弁護士

    弁護士

    知らないうちに親が遺言を作っており、それがとても不利な内容であったということは意外とあります。認知症までにはなっていなくとも、高齢になると判断能力が衰えて、気持ちも弱くなりますので、同居する親族に要請されて、遺言を作成してしまうということもあるのです。

  • 兄

    わたしはこのまま遺産はもらえないんですか?

  • 弁護士

    弁護士

    このような場合でも、民法では、遺留分侵害額請求という制度が用意されており、遺言で取り分がゼロにされたとしても、全くもらえないということにはなりません。通常は、法定相続分という本来の取り分の2分の1をもらうことができます(3分の1のこともあります)。

  • 兄

    安心しました!

  • 弁護士

    弁護士

    しかし、遺留分侵害額請求を行う前に、法的な見地から遺言の有効性を検討することが不可欠となります(→遺言無効)。また、遺留分侵害額請求の算定においては、遺産(不動産、株式等)を金銭的に評価することが前提となり、専門的な見地からの検討をしなければなりません(→遺産の評価)。その後、内容証明郵便で請求し、相手と交渉を行うことも必要になります。

  • 弁護士

    弁護士

    遺留分侵害額請求には期間制限もありますので、早めに弁護士に相談することが望ましいでしょう。

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