民法が改正されるまでは,遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)という名前で呼ばれていました。
その後,民法改正により,遺留分侵害額請求という名前に変更されましたが,実は名前だけではなくその性質も変わることとなりました。

昔は,たとえば不動産を生前贈与や遺贈したような場合に遺留分減殺請求をすると,侵害した分に相当する権利そのものが回復されるという効果が生じましたが,新しい民法では不動産の権利そのものではなく,「価値」を取り戻せるということになり,そのため「侵害額」請求という名称に変わりました。

なんとなく私は減殺請求の方が呼びやすくて好きですが,もう過去の遺物になってしまいそうです。
同じようなものとして,瑕疵担保責任というものもあります。これも民法改正によりなくなってしまいましたが,瑕疵という言葉はいまだに使ってしまいますね。

※ 改正前の事案においてはいまだ改正前民法が適用となります。